僕と吃音の距離。⑦
中学生活に慣れ、塾にも慣れてきた頃、少しずつ悩みも増えてきた。
返事である。
2年生だった当時の僕のクラスは、朝の出席は自分たちで名前を呼び合う形式になっていた。
出席番号の次の人の名前を呼ぶのだが、それが出来なかった。
察してくれた次の人が、僕を飛ばして進めてくれたが、ただただ辛かった。
暗黙の了解のような感じで、笑われたり、バカにされたりすることはなかったが、情けなさすぎる自分が嫌だった。
返事は塾でもあった。
そこでも吃音のことを強く恨み続けた。
学校ではスルーされてきた、難発による返事の遅れも、塾ではそうは行かなかった。
塾では決まって、塾長の先生にからかわれた。
「何?お前の周りだけラグがあんの?笑」
この言葉は今でもしっかり覚えている。
これにつられて、クラスメイトのみんなも笑い出す。
なんとか苦笑いすることで精一杯だった。
少しづつ、からかわれることを恐れて、塾に行きたくなくなっていったが、そのままでは負けだと諦めなかった。
しばらく、それ以外の吃音の障害はなかった。幸い、いじめの対象などにはなっていなかったので、気楽に学校生活を楽しむことができた。
しかし、三年になった頃高校受験がやってきた。
そう、面接である。
続く…