僕と吃音との距離。⑤
中学で、初めての部活動。
あまり候補が無かったので、知り合いが多い卓球部に入った。
同級生の知り合いも多く、先輩にも仲のいい人がいる。
それだけの理由だった。
「卓球」が言い難い言葉なのはその時気づいた。
新しい生活が始まって、クラスで最初にするのは役員決めだった。
正直、委員会はどこでも良かった。
放送部のように喋らなければ。
初めに、学級委員を決めた。
もしかしたら率先して、立候補する真面目くんがいるかもしれないが、このクラスにはいなかった。
すぐに推薦の時間になった。
「真面目だし、よっし〜くんでいいんじゃない?」
誰かが言った。
「何を無責任なことを。」と、思った。
どーせ、このクラスの人間は学級委員をやりたくないから、擦り付けてるのだ。
やりたくない人達はこの案に便乗する。
少しの抵抗虚しく、学級委員になってしまった。
それから毎朝、HRで「1日の目標」というものを設定して、クラスの前で発表しなければ行けなかった。
「何を目標にするか。」「しっかりとクラスの前で発表できるか。」、2つの悩みが新たに増えた。
母親には、「何を目標にするか。」という悩みだけ相談した。
まだ吃音を言えなかった。
なぜ言えなかったのかはわからない。
でも何故か相談できなかった。
ここから半年間。
何とか職務を全うすることが出来た。
この時は部活動もつまらなく、精神面は不安定だったと思う。
𓃯続く𓃯